『火喰鳥を、喰う』感想

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こんにちは、むぎです。

今回は2025年10月3日公開の映画『火喰鳥を、喰う』の原作小説を読んだので感想を書いてみたいと思います。

『火喰鳥を、喰う』はミステリ&ホラー大賞を受賞している作品です。ワクワクしますね。

面白かったのでぜひ読んでみて、と言いたいのですが怖いの苦手な方もいると思います。
そんな方の参考になれば幸いです。


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怖さレベル

全体感としては、怖いけど問題なく読み進められるレベルでした。

2,3か所グロテスクな描写があって「あらぁ……」となりましたが、特に気にはならなかったです。

頭でがっつり想像しながら読むタイプの方はキツいのかも。

描写としては体の欠損系です。痛みとか想像しちゃう人には不向きかもしれませんが、数か所なので。

うわ、と思ったらちょっと飛ばしても問題ないと思います。

個人的には序盤の鳥さんにツンツンされているところと、後半のカーチェイスあたりの描写が激しいかなと思います。

それ以外の怖さは霊的なホラーというよりは、理解の範疇を超えたものが向かってくる怖さがベースにあって、随所で異常行動を取る人間に遭遇したときの怖さを感じます。

でも怖くて読めない!ということはなくて、続きが気になるいい塩梅なんじゃないかと思います。

ちなみに私はホラー小説初心者で、映画のリングは見れないレベル。それでも読める!面白いぞ!

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キャラクター感想

雄司

主人公の雄司さん。

よくいそうな男の人です。虫苦手系男子。

特徴はあまりない無機質タイプの人間かと思っていましたが、後半で奥さんを大事にしていることがわかって人間味を感じました。最初からもっと言ってよ~!

読者の視点になるので、あまり個性的なキャラクターでは困るのでしょうけど。

ホラー小説ということもあり、淡々としています。

感情移入ができるほど愛着はないけど、数々の説明が難しい現象に戸惑っているのはとても伝わってきたし、共感できました。

奥さんにいよいよ害が及びそうになってちょっと頼もしくなったのはキュンときました。ありがとな。

あとお母さんに忘れられた時はつらかったよね。奥さん最後に見つけた時もショックだったよね。

とか考えてたらそこそこ感情移入してますね。さすが視点主。

夕里子

主人公雄司の奥さん。

クールビューティーな特殊能力持ち。

だからこそ今回の騒動が起きてしまったんだよなぁと思うと可哀そう。

奥さんも旦那さんを大事に思っていることが後半に強調されているので、2人で生き延びてくれよな!という気持ちになりました。

超序盤の「太ったってこと?」とか「まだ虫苦手なの?」みたいな旦那さん相手にも塩対応だったり、実はお笑いが好きだったりするの可愛いので、もっとそういうところ出してほしかった。
まあホラー小説なので難しいですね。

番外編・久喜家のほのぼの田舎ライフ小説を求む。

北斗

問題の超常現象に詳しい人ですね。

後半から参戦してくるとは思えないキャラの濃さを出してきます。

終わり方が終わり方なのでしょうがないのですが、めちゃくちゃ北斗の印象が強く残りました。

他の人の感想で北斗を拗らせてた方をよく見かけましたが、確かにこれは危ない。多感な時期に読んだら危ない。

北斗が登場すると一気に久喜夫妻の世界が広がって、感情の揺れも行動範囲も大きくなっていった印象を受けます。

見えない敵が段々と自分たちの近くに侵略してきているのはわかるのに情報不足で手が打てない状態から、北斗の解説によって少し輪郭が見えるようになったのが功績ですね。

北斗が話すことが真実かはわからないけど、なんとなく納得できてしまう辻褄合わせをしてくれるんですよね。

何が起こっているかすらわからない状態の人にとっては確かに救世主のようにも見えますね。

北斗を形容する言葉として映画化のインタビュー記事で頻繁に出てくるフレーズが「胡散臭さ」と「説得力」なんですよね。

わかる~~~!納得です。

私はインタビューを見つつ原作も並行して読み進めていたので、「ああ胡散臭さってそういうことか」とかなり腑に落ちました。

なので最初から北斗は胡散臭い奴と認識した状態で読んでいましたが、それでも登場時の「解決の糸口になりそうなことを教えてくれそう!」という期待は大きかったです。

の割に、あまり成果を出してくれないんですよね。万能感がないのも、ちょっと図々しいのもご愛嬌です。

あとインタビュー記事で雄司役の水上さんがおっしゃっていた内容で、表現が上手だなと思ったのがありまして。

主人公の雄司はキャッチャーで、北斗の投げてくる球を最初は敢えて受け取らないけど、後半はその球を取らざるを得ない状況になっていく。

ということをお話ししておりました。

中盤で「北斗は信用するな」と書かれている場面もありましたし、その気持ちはわかる。だって超常現象専門家ってなんやねん。って思うもん。そもそもね。

でも「妻を守りたい」という雄司の願いを叶えるためには北斗の助けを借りないとどうにもできない。

何が即死行動になるかわからない状況だけど、絶対にそれは避けたい。

それで北斗の球を受け取るんですよね。しぶしぶ。

で、慎重になった結果、あちゃー……という感じでしたね。ネタバレになるので伏せますが。

全体

見事にひっかかりました。

この展開を初見で見破るのは無理なんじゃない!?と思うのですが、どうなんでしょうか。

運転のシーンで私は違和感を覚えて、何かあるのかなと思いましたが全容はまったくわからなかったです。

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総括

面白かったです!

後味スッキリかと言われると疑問ですが、衝撃は受けました。余韻を引きずってます。

最後のページ、状況を受け入れられず何度も読み返しました。
私の読解力不足もあるのですが、終盤は「え?そういうこと……!?」が続き上手く読み込めず。笑

マジか……。と目を閉じました。

とりあえず北斗のクセモノ感えぐい。

ホラー感を求めて読むには物足りないかもしれませんが、小説として、物語として、とても面白かったです。

映画化楽しみです。


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